はじめに
毎日のように同じような内容のメールを送信していませんか？
取引先への定期連絡、チームメンバーへの週報、顧客へのフォローアップメールなど、ビジネスシーンでは定型メールの送信に多くの時間を費やしています。
そこで今回は、Google Apps Script (GAS) を使って、メール送信を自動化する方法をご紹介します。
プログラミング初心者の方でも実践できるよう、基本から応用までステップバイステップで解説していきます。
Google Apps Scriptとは？
Google Apps Script（GAS）は、Googleが提供するスクリプト言語で、GmailやGoogle スプレッドシート、Google カレンダーなどのGoogleサービスを自動化するためのツールです。
JavaScriptをベースにしており、比較的シンプルな構文で様々な自動化が可能です。
基本的なメール自動化スクリプト
まずは基本的なメール送信スクリプトから見ていきます。テンプレートリテラル（`）を使うことで、複数行のテキストを簡単に作成できます。
function sendCustomEmail() {
// メールの宛先を設定
const recipient = “recipient@example.com”;// メールの件名を設定
const subject = “自動送信メール”;// メール本文をテンプレートリテラルで作成
const textBody = `
拝啓 ○○様お世話になっております。△△株式会社の□□です。
先日はお打ち合わせありがとうございました。
議事録を添付いたしますので、ご確認ください。何かご不明点がございましたら、ご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
// メールを送信
GmailApp.sendEmail(recipient, subject, textBody);// 送信完了をログに記録
Logger.log(“メールを送信しました: ” + recipient);
}
このスクリプトの特徴は、バッククォート（`）で囲まれたテンプレートリテラルを使用している点です。これにより、改行や空白を含む複数行のテキストを見やすく記述できます。
定期的なメール送信の自動化
週報や月次レポートなど、定期的に送信するメールは、トリガーを設定して自動化できます。
function createTimeTrigger() {
// 毎日午前9時に実行するトリガーを作成
ScriptApp.newTrigger(‘sendCustomEmail’)
.timeBased()
.atHour(9)
.everyDays(1)
.create();Logger.log(“定期実行トリガーを設定しました”);
}
この関数を実行すると、毎日午前9時に sendCustomEmail 関数が自動的に実行されるようになります。
HTMLメールでリッチな表現を
テキスト形式だけでなく、HTMLを使ったリッチなメールも送信できます。
function sendHtmlEmail() {
const recipient = “recipient@example.com”;
const subject = “HTMLフォーマットのメール”;// プレーンテキスト版（HTMLをサポートしていないメールクライアント用）
const textBody = `
お世話になっております。
重要なお知らせがあります。詳細は下記をご覧ください。
`;// HTML版
const htmlBody = `
<div style=”font-family: Arial, sans-serif; color: #333333;”>
<h2 style=”color: #007bff;”>重要なお知らせ</h2>
<p>いつもお世話になっております。</p>
<p>下記の<strong>重要な情報</strong>についてご確認ください：</p>
<ul>
<li>項目1: ○○○○について</li>
<li>項目2: △△△△について</li>
<li>項目3: □□□□について</li>
</ul>
<p>詳細は<a href=”https://example.com/details”>こちら</a>をクリックしてご確認ください。</p>
<hr>
<p style=”font-size: 12px; color: #666666;”>
△△株式会社
</p>
</div>
`;// HTMLメールを送信
GmailApp.sendEmail(recipient, subject, textBody, {
htmlBody: htmlBody
});Logger.log(“HTMLメールを送信しました: ” + recipient);
}
HTMLメールを送信する場合は、テキスト版とHTML版の両方を用意しておくのがベストプラクティスです。一部のメールクライアントではHTMLが表示されない場合があるためです。
まとめ
ビジネスシーンにおけるメール業務は、毎日の仕事の中で大きな割合を占めています。Google Apps Scriptを活用したメール自動化は、この時間消費型の作業を効率化し、本来注力すべき業務に集中するための強力な武器となります。
今回ご紹介した方法を実践することで時間は大幅に短縮されます。
GASの良いところは、プログラミングの専門知識がなくても実現できる点です。今回紹介したテンプレートをベースに、少しずつ自分の業務に合わせてカスタマイズしていくことで、誰でも効率化の恩恵を受けることができます。
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