申込が殺到する企画の作り方|コンセプトメイク11の質問でウェビナーの本質を磨く

3.マーケティング戦略・思考
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申込が殺到する企画は“問い”から生まれる

ウェビナーを何本開催しても、「思ったほど申込が伸びない」と感じることはありませんか?
その原因の多くは、コンセプトが曖昧なことにあります。

前回の記事「オンデマンドウェビナーの作り方」では、
“仕組み化”の重要性について解説しました。

今回はその続編として、申込が殺到する企画の「中身」──つまりコンセプトの磨き方を紹介します。
テーマは「コンセプトメイク11の質問」。


1. 問題と痛み:誰のどんな悩みを解決するのか

結論として、まず問うべきは「顧客が本当に困っていることは何か?」です。
なぜなら、企画が刺さるかどうかは顧客の“痛み”をどれだけ代弁できるかにかかっているからです。

たとえば美容業界なら、
「広告費をかけても来院が安定しない」
「院長が現場に追われてマーケに時間を割けない」
といった“生の声”が問題の核心です。

調査のコツは、顧客の言葉をそのまま書き出すこと。
抽象的な悩みを「具体的な一文」に変えた瞬間、コンセプトが一気にリアリティを帯びます。


2. 新しさ:なぜ今までと違うのか

企画が注目を集めるのは、「新しさ」があるからです。
人は“見慣れたもの”ではなく、“少しだけ違う切り口”に反応します。

新しさとは、必ずしも革新的である必要はありません。
「既存の方法にAIを組み合わせた」
「美容医療業界ではまだ知られていない手法を導入した」
といった“掛け合わせ”でも十分です。

「今までと何が違うのか?」を一文で言えるようになると、企画の説得力が一段上がります。


3. リアルな変化:どのくらいの期間で何が変わるのか

顧客が求めているのは「変化」です。
特にBtoBの現場では、「どのくらいの期間で」「どんな成果が出るのか」が明確であるほど信頼を得やすい。

たとえば、
「3週間でウェビナーの申込率が2倍に」
「1か月で問い合わせ単価を30%改善」
といった具体的な数字が入ると、メッセージは一気に強くなります。

リアルな変化を提示できるかどうかが、申込率を分けます。


4. 単純な行動:最初の一歩をどれだけ軽くできるか

どんなに魅力的な企画でも、行動が難しければ人は動きません。
「今すぐ登録できる」
「無料でダウンロードできる」
「テンプレートを試すだけ」

このように“シンプルな一歩”を設計することが重要です。
行動が簡単だと、「試してみようかな」という軽い心理的ハードルで申込が生まれます。


5. 身近な未来:その先にどんな変化が待っているのか

人は「想像できる未来」にしか興味を持ちません。
だからこそ、参加後の自分の姿を具体的に描くことが必要です。

「セミナー後には、自社の顧客データを自動で分析できるようになる」
「ウェビナー終了後、すぐに営業資料を改善できる」

このように“すぐに手が届く未来”を提示することで、読者は自分ごととして捉えやすくなります。


6. 大きな夢:ビジョンで人を動かす

戦略的な企画ほど、現実+理想の両輪が必要です。
人は「変わりたい」と思うと同時に、「より良い未来を見たい」とも思っています。

たとえば、
「美容業界の“感覚的営業”を終わらせる」
「全国の小規模クリニックでもAI活用を当たり前に」

このようなビジョンを語れると、ファンが生まれます。
夢のない企画は、どれだけ仕組みが整っていても心に残りません。


7. Why NOW?:なぜ今やる必要があるのか

多くの企画がスルーされる理由は、「後でいい」と思われるからです。
“今”申し込む理由を明確にすることが、緊急性を生み出します。

「広告費が高騰し、効率化が急務」
「年内の販促施策を見直すラストチャンス」

こうした“タイムリーな課題”と結びつけることで、申込は一気に加速します。


8. Why ME?:なぜ私(提供者)が語るのか

同じ内容でも、誰が語るかで信頼度は変わります。
自分の経験・実績・失敗を語ることで、あなたのメッセージは真実味を帯びます。

「年間60本のウェビナーを運営してきた私が実際に試した方法」
この一文だけで説得力が生まれるのです。

提供者の背景こそ、企画の“信頼の源泉”です。


9. Why YOU?:なぜあなた(受講者)に必要なのか

企画は“誰にでも”では刺さりません。
「この人のために作った」と明確に言えるかが鍵です。

「すでに自社でウェビナーを運営している担当者にこそ必要」
「AI活用に興味はあるが、何から始めればいいかわからない人向け」

このように対象を明確化することで、読者は“自分事化”しやすくなります。


10. Why THIS?:なぜこの方法でなければならないのか

似たような企画が多い中で、「他と何が違うのか」を明確に伝えることは不可欠です。
単なる“差別化”ではなく、“必然性”を語ることがポイントです。

「他社はツール紹介中心だが、私たちは“成果を出すプロセス”を共有する」
というように、違いを価値として打ち出すことで、唯一無二のポジションを築けます。


11. WIIFM:結局、私にとってどんな得があるのか

最も重要な問いです。
人は常に「What’s in it for me?(それで私に何の得があるの?)」で動きます。

あなたの企画が「自分の利益・変化・成長」に直結すると感じた瞬間、申込は自然と起こります。

そのためには、
「これを読んだら何が得られるか?」を一言で言えるヘッドラインを用意しましょう。
“はじめて見た人に伝わる一文”が、あなたのUSP(独自価値)になります。


まとめ:企画は「正しい答え」ではなく「良い問い」から始まる

ウェビナーやコンテンツ施策の成功は、仕組みではなく“問い”の深さで決まります。
この11の質問は、あなたの企画を根底から見直すための“鏡”のような存在です。

何度も立ち戻りながら、少しずつ磨いていく。
それが、申込が自然と集まる企画づくりの本質です。

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