【完全入門】IPアドレス・ドメイン・DNS・URLの違いを「住所の例え」でわかりやすく解説
はじめに:なんとなく使っていた言葉の正体
Webサイト運営やプログラミングをしていると、「IPアドレス」「ドメイン」「URL」「DNS」という言葉を自然に使います。
でも、それぞれが何を意味していて、どう繋がっているのか、意外と曖昧なまま使っていませんか?
この記事では、それらの関係を現実の「住所」にたとえて整理しながら、技術的な背景までわかりやすく解説します。
この記事を読み終える頃には、「インターネットの地図構造」がイメージできるようになります。
🏠 IPアドレスとは?:インターネット上の「住所」
IPアドレス(Internet Protocol Address)とは、インターネット上で通信を行うすべての機器に割り当てられる「住所」のようなものです。
例:172.217.161.142(これは Google のIPアドレスの一例)
現実世界で言えば「東京都千代田区千代田1-1」という住所。
コンピュータやサーバーは、この数値で通信相手を特定します。
🔢 IPv4とIPv6
| 種類 | 例 | 特徴 |
|---|---|---|
| IPv4 | 192.168.0.1 | 32ビットの数値。約43億個。世界的に枯渇しつつある。 |
| IPv6 | 2400:cb00:2048:1::c629:d7a2 | 128ビット。ほぼ無限に近いアドレス空間を持つ。 |
IPv6は、IoT機器の増加や世界的な接続数増加に対応するために登場しました。
IPv4からIPv6へ少しずつ移行が進んでいます。
🏡 内部IPアドレスと外部IPアドレスの違い
IPアドレスには、主に次の2種類があります。
| 種類 | 例 | 説明 |
|---|---|---|
| 内部IP(プライベートIP) | 192.168.1.10 | 家庭や会社などのローカルネットワーク内で使われる住所。 |
| 外部IP(グローバルIP) | 133.32.45.10 | インターネット全体で識別される住所。世界中で一意。 |
例えば、家の中ではスマホ・PC・プリンターにそれぞれ内部IPが割り当てられています。
外部から見ると、Wi-Fiルーターが持つ1つの外部IPだけが見えています。
内部IP=家の中の部屋番号
外部IP=家の外の住所(郵便が届く場所)
🌐 ドメイン名とは?:人間が覚えやすい「名前」
IPアドレスは数字の羅列で覚えにくいため、人が読めるように名前をつけたものが「ドメイン名(Domain Name)」です。
例:google.com → 172.217.161.142
つまりドメイン名は、IPアドレスに対応する「表札」のようなもの。
このおかげで、私たちは「数字」ではなく「言葉」でサイトにアクセスできるのです。
🔹 ドメイン名の構造
例:www.example.co.jp
| 部分 | 意味 |
|---|---|
| www | サブドメイン(任意の設定) |
| example | ドメイン本体(サイト名など) |
| co.jp | トップレベルドメイン(国や組織を表す) |
トップレベルドメイン(TLD)には、次のような種類があります。
- .com:商業サイト(もっとも一般的)
- .jp:日本のドメイン
- .org:非営利団体
- .edu:教育機関
📖 DNSサーバーとは?:インターネットの「電話帳」
DNS(Domain Name System)とは、ドメイン名とIPアドレスを対応づける仕組みのことです。
そしてDNSサーバーは、その情報を管理する「電話帳」のような存在です。
💡 仕組みの流れ
- あなたがブラウザで「google.com」と入力する
- ブラウザがDNSサーバーに「google.comのIPを教えて!」と問い合わせる
- DNSサーバーが「172.217.161.142だよ」と答える
- ブラウザがそのIPアドレスにアクセスしてページを表示
この仕組みによって、私たちは「数字の住所」を意識せず、ドメイン名だけでWebサイトにアクセスできます。
DNSサーバー=インターネットの電話帳。
ドメイン名(名前)とIPアドレス(住所)をつなぐ仲介役。
🌍 URLとは?:Web上の「道順つき住所」
URL(Uniform Resource Locator)とは、
Web上のリソース(ページや画像など)の正確な位置を示す「道順つき住所」です。
例:
https://www.example.com/products/item1.html
| 部分 | 意味 |
|---|---|
| https:// | 通信の方法(プロトコル) |
| www.example.com | ドメイン名(建物) |
| /products/item1.html | ページのパス(部屋番号・場所) |
つまりURLは、「どの建物(ドメイン)の、どの部屋(ファイル)に行くか」を指定しています。
URL=住所+部屋番号+道順。
ドメイン名だけでは“建物”までしか行けないが、URLで“部屋”までたどり着ける。
🧩 URIとは?:URLを含むより広い概念
URI(Uniform Resource Identifier)は、
インターネット上のリソースを「一意に識別するための名前」のことです。
URLはその中の一種です。
| 用語 | 例 | 説明 |
|---|---|---|
| URI | mailto:info@example.com | Webページ以外も含む広い概念(メールやファイルなど) |
| URL | https://example.com/index.html | Web上の位置(住所)を示すURIの一種 |
すべてのURLはURIですが、すべてのURIがURLとは限りません。
🧠 まとめ:住所の例えで全体像を理解しよう
| 用語 | 現実世界の例え | 説明 |
|---|---|---|
| IPアドレス | 家の住所 | コンピュータの位置を特定する数値 |
| 内部IP | 家の中の部屋番号 | ローカルネットワーク内で使う |
| 外部IP | 家の外の住所 | インターネット全体で使う |
| ドメイン名 | 表札の名前 | 人間が覚えやすくしたIPの別名 |
| DNSサーバー | 電話帳 | ドメイン名とIPの対応表 |
| URL | 住所+部屋番号+道順 | Webページの具体的な場所 |
| URI | 住所・電話・メールすべて | リソースを一意に識別する概念 |
これらを整理すると、インターネットの通信は「住所 → 名前 → 道順」の連携で成り立っています。
インターネットの世界も現実世界と同じ。
「住所」「表札」「電話帳」「地図」の組み合わせで、情報は正しく届きます。
これを理解すると、サーバー構築やネットワーク設定、Web開発の基礎が一気に


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